これに示すアリューザ・ガルド世界の歴史は、“次元の狭間”にある“イャオエコの図書館”の数多ある蔵書の中から抜粋、要約したものである。
永久にも等しい時間の中において、起こった出来事はそれこそ数限りない。ここではそれらの出来事について簡単に説明を行いつつ、歴史の流れをひもといていく。
この書の編纂を行いながら私は、自身が悠久たる時の流れを往く旅人であるかのような感覚を覚えた。川の流れが高きところから低きところへと向かうのと同じく、時は遡ることなく流れゆく。名も知れぬ数多の人間が、“時代”という名の流れに乗り、運命を切り開いてきた。そしてこれからも――。
こうして歴史書の編纂を終えた今、この書は図書館の蔵書として書架のいずこかに置かれる。いつの日か、この地を訪れた人間がこの書を読むまで。
過去に起こった事象が、紡がれゆく未来に何らかの指標となることを願って
司書長、“真理の鍵を携えし者”マルディリーン 記す