イャオエコの図書館 世界全容

§ 一. 概要およびアリューザ・ガルド

 アリューザ・ガルドの歴史は長い。
 世界のはじまりにおいて、ミルド・ルアンという超存在の身体より三なるものが誕生した。
 一つ目は、大地。原初の世界。
 二つ目は、“音”と“思念”。魂のもととなるべきもの。
 世界から飛び去ったそれは、のちにアリュゼル神族となり、一方で世界に留まったそれは古神となり、原初世界を支配した。
 三つ目は、大いなる力すなわち“始源の力”。だが、“始源の力の氾濫”によって原初世界は終焉を迎える。
 そこにヴァルドデューンらアリュゼル神族が帰還を果たし、戦いの末に古神を追放した。
 新たな主たるアリュゼル神族によって世界は新たに創造された。
 それこそがアリューザ・ガルドだ。

 長きにわたる神話の時代は、ザビュールの反乱によって幕を閉じる。
 神々の戦いにより世界は大変動をおこし、唯一の陸地、理想郷たるアリューザ・ガルドは、永遠にふたつに分断されてしまった。
 アリュゼル神族は、世界を見守る役目をディトゥア神族に委ね、“天界《アルグアント》”へと去って行く。

 第二紀、すなわち“分かたれた大陸の世”において歴史を紡いでいるのは、バイラルをはじめとした人間達である。
 だが世界は、物質世界すなわちアリューザ・ガルドのみによって構築されているのではない。
 アリュゼル神族が在る次元、“天界《アルグアント》”のほかにも、四つの事象界、月、“魔界《サビュラヘム》”、“幽想の界《サダノス》”、そしてここ、“次元の狭間”が存在している。
 それら世界についても記しておくことにする。

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